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はみだしナースのMBA日記(10)

さて、そろそろ卒業(修了)へ向けたお話に移ることにしましょう。
いまさらですが、MBAつまり経営学修士は、大学院の修士課程です。ということは、普通に考えると修士課程を修了するには、修士論文を書いてそれが認められなければなりません。私の通ったビジネススクールは、修士論文かビジネスプランのどちらかを選択することができました。

この修士論文あるいはビジネスプランのテーマを決めるのが、修了の約1年前、2年目に入ってすぐという時期でした。もちろん、学生は皆、何らかの研究テーマを持って入学して来ています。一般の大学院と違って、かなり明確な問題意識を持って来ている人が多いのが、社会人大学院ならではの特徴だと思います。ですから、いまさらテーマを決めて提出しろと言われても、別に動じることはないはずなのに、やっぱりいろいろと悩む人も多いようでした。 私も同じでした。

私はあるメーカーの医療関連の部署で、マーケティングや医療機関とのR&Dのサポートなどを担当していましたから、入学当時の私の研究テーマは、企業だからこそできる医療関連ビジネスのビジネスプランを作ることでした。診療行為は医師や医療機関でないとできません。しかし、医療の周辺には、例えば健康とか予防あるいは介護といった分野があり、そこには企業も人々の健康生活に貢献できるサービスを提供していける、いや企業だからこそ、広く普及させていくことができると考えていました。

でも、私も無意識だったのですが、当時はそのサービスも、ITやバイオなど先端技術を中核としたものを頭に描いていたのでした。今思うと、私もメーカー思考に陥りそうになっていたのでした。 大学院に通うようになり、いろいろな講義を受けたり、沢山の人と話をする中で、危うく忘れそうになっていたことを思い出しました。

あたりまえのことですが、医療は、全て臨床の現場で、人と人との関係の中で行われています。医学や医療技術がどんなに進歩しようと、医療は人間が主人公であって、人間不在の医療はありえません。医療やヘルスケア産業は労働集約産業だと言われています。しかし、そういう次元を超えて、医療や病院、もっと広くヘルスケアの分野は、「人間」の力が最も大切な要素である世界なのです。

もちろん、「ヒト」が重要であるということは、どの産業でも同じことだと思います。でも、このことに改めて気付いたとき、医療・ヘルスケア分野における「ヒト」というものについて、とても興味が出てきたのです。そして、もっと深く考えてみたくなりました。

そうして、私の修士論文は 「ヒト」 がテーマになったのでした。(つづく)

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