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はみだしナースのMBA日記(8)

前回の日記で、「大学院で受けるマーケティングや戦略など講義の内容は、日常の社会人生活の中で意識はしていないにしろ、経験・実行していることだった」と書きました。 これらのことを、病院の看護の現場や、病院経営に当てはめて考えてみます。

近年、遺伝子研究の進展によってオーダーメイド医療とか、テーラーメイド医療といった言葉がよく聞かれるようになりました。同じ薬剤や治療法でも人によってその効果が異なることがありますが、その個人差を生まれつき個人ごとに異なる遺伝子の型を見ることで診断し、個人個人にあった治療を行おうとするものです。 マーケティングの世界でも、CRM(Customer Relationship Marketing)とか、ワントゥーワンマーケティングなどと言われるように、顧客は一人一人異なっており、画一的な対処の方法は顧客満足をもたらさないという考え方のもと、顧客との信頼関係を構築し、顧客個人個人のニーズを志向した戦略が重要であるとされています。

でも、これらのことは、医療の現場、特に看護の世界では、ずっと前から当たり前のこととして実践されてきたことではないでしょうか。もちろん、患者不在の医療など、いろいろと指摘はあります。しかしながら、少なくとも看護師の皆さんは、患者さん一人一人の生活環境から、家族構成、そして精神的なことまで含めて把握し、一人一人に対して看護計画を立案し、患者さんとの信頼関係のもと個人個人に合った看護を実践していると私は思っています。

確かに、病院経営という観点からは、オペレーションの部分で非効率やムダである部分がまだまだ多く、それらに対しあまりに無頓着な経営がされていたことは否定しません。だからこそ、今、こんなにも病院経営の改革が大きな課題となっており、企業経営のノウハウの導入が進められているのだと思います。

しかし、このように病院経営が企業経営に学ぶところが多い一方で、顧客一人一人のニーズ、それもサービス提供の緊急性の高い「患者さん」を相手にし続けている医療の現場、看護の現場にも、学ぶべき点は、実は結構あるのではないかと思っています。

大学院の同僚(やはり看護師経験のある)が次のように、ビジネススクールで学んだ感想を述べています。 「やはり実際に理想とする看護を提供するのも、看護の場を作るのも、コストや人員配置その他の具体的なノウハウと、それによって得られるメリットがなければ実現できるものではないし、看護や医療では「コスト」がとても大事だということがわかりました。経営って、利益利益でがつがつしてやな感じ。と思っていましたが、実はそうではなく、医療や看護に応用可能なものがたくさんあり、有意義でした。 医療職以外の友達もたくさんできましたし、新鮮でした。」

自分が今までいた世界を飛び出して、他の業界の人と接し、外から医療の世界を見てみると、またいろんなことが見えてくるものですね。

(ぴぐ)
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