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はみだしナースのMBA日記(9)

前回、病院の中にも、企業経営が学ぶところはあると思うと書きましたが、きっとそれは私が看護師であり、病院勤務経験者であるからだと思います。やはり医療の世界には「経営」という視点では非常に遅れている部分があり、改革が必要なことは明らかです。私が通った大学院には「ヘルスケア」の専門コースがありますが、ビジネススクールにそのようなコースが出来たのも、こういった時代背景やニーズを反映したものだろうと思います。今回は、コースの専門科目のうち、「医療経営分析論(旧ホスピタル経営分析論)」をご紹介します。

シラバスを見ると、「医療経営分析論」では「病院等のヘルスケアに関する施設の活動と成果を、単に会計的な財務分析や原価管理的な視点だけからの経営分析ではなく、患者分析、医療行為分析、医療従事者分析など、様々な視点から分析し、経営に活かせるように研究する」とあります。 病院経営が厳しくなっている中で、病院の状況を財務(お金)の面だけでなく、それらの背景となっている様々な人や物の関係を適切に把握することは、病院が今後取り組むべき改善点を明らかにすることに加え、他の病院との関係の中でどういう方向性で生き残っていくかという戦略を立案する上での重要なポイントを見出すことになるのです。

授業では、病院という組織を経営もしくは運営するという視点に立って、病院やそれをとりまく環境を分析するポイントを教わりました。ある時は、ケーススタディとしてある病院の概要と財務諸表(貸借対照表、損益計算書)などから病院の状況を分析し、何が問題点なのかをディスカッションしたこともありました。ちょうど、そのときのメンバーの中に、看護師や薬剤師、医師などの医療関係者が含まれていたこともありましたが、現場の業務レベルでの問題点の予測や、改善策の提案がなされたりして、長年、病院の経営分析に携わってきた先生も、とても興味深く聞いていらっしゃったことを覚えています。

私がかつて病院で働いているときに、オーダリングシステムが導入されたことがありました。このオーダリングシステムの導入一つをとっても、その時はとっても便利になったなあとか、パソコンの操作が出来ない人は大変だろうななどと思っていただけで、それが医事データや医材の発注システムなどと連動することで、原価管理ができたり、経費が削減できたりといった病院の「経営」にまでつながるということまで、考えが及びもしませんでした。

このように、病院経営というのは、単に院長や事務部門だけのことではなく、病院で働く全ての人に関わっていることなのです。近年、病院経営のコンサルタントがもてはやされているようですが、本当に病院側が望んでいることは、単に財務データから問題点を指摘することだけでなく、結局臨床の活動レベルで具体的にどう取り組んでいったらいいのかということまで踏み込んだアドバイスであると聞いています。 それには、財務データが読めるだけでは限界があり、前述したケーススタディではありませんが、病院の業務の実態を把握していないと、真の意味での病院経営のコンサルティングは難しいと思います。

こういうところにも、また一つ、医療職経験者の「新労働領域」があると思いませんか?

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