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「はばたく女性起業家奮闘」 −16年2月27日 日経産業新聞(22面)−

メディカルキュービック(東京・足立区)は、医師や看護師など医療職専門の人材紹介を手がける。深澤優子社長は看護師と経営学修士(MBA)の資格を併せ持ち、医療現場の経験とビジネススクールで学んだ経営学を結びつけた経営を模索している。

深澤社長は大学卒業後、看護師として大学病院に勤務した。その後、短大看護科の助手を務め、仕事を続けていくつもりでいたが、1996年、夫の渡米を契機に退職し、同伴して渡米した。渡米前と渡米中にそれぞれ長男と次男を出産したが、就業への思いは断ちがたかった。これが起業への伏線となる。

99年に帰国し、「再就職のため何かを身に付けなければ」と思い立ったのが、大学院入学。2001年、医療・健康関連のMBAコースがある日大大学院グローバル・ビジネ研究科に入学し、看護師や薬剤師など同期の医療関係経験者と「ヘルスケアマネジメント研究会」を組織した。看護師の就業意識調査などを通じ、医療を支える人材の重要性や助成の継続就業の困難さを再認識し、この問題意識から旅行添乗、役員秘書等を含む幅広い領域に医療職の進出を支援しようという事業アイデアがかたまった。

医療専門職の新労働領域の提唱

実際の起業のきっかけは、授業などで発表した事業アイデアが大学院生として通学していた医療向け情報システム開発会社のオーナーの目に止まったこと。その会社で新規事業を手がけてみないかと誘いを受けた。【自分にできるだろうか】という不安はあったが、チャンスを生かしたいと、2003年システム開発会社を衣替えしたメディカルキュービックの社長に就任し、看護師などの大学院の同期も役員として経営に参加した。人材紹介部門の立ち上げと情報システム開発部門を任されたが、当初は無愛想な電話応対や接客を改める指導で、社員とけんかになる場面も。 しかし、「一年間で互いに学び合い変わった」。

人材紹介部門は、この一年間の実績が短期の案件を中心に100件程度。訪問入浴などの介護サービス、旅行やCM撮影の付き添いなど。役員秘書などの案件の字中はこれからだが、保険会社の加入者チェックや医療情報システム開発担当などの引き合いは増えつつある。

今後は、優秀な登録スタッフの確保や医療機関以外のニーズのきめ細かい把握などに力を入れる。今年3月の法改正で道が開ける医療職の紹介予定派遣業務への参入も検討中だ。「医療職の新しい活躍の場を広げることで、医療職に多い女性の就業を支援したい」と考えている。