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「在宅医療と看護を考える」セミナー
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多数のご参加ありがとうございました
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Medical CUBIC 主催セミナー 第4回 医療とキャリアシリーズ
 【テーマ】

在宅医療と看護を考える −質と実践−

さる10月15日(土)、第4回医療とキャリアシリーズセミナーを行いました。
今回のテーマは 「在宅医療と看護を考える」 ということで、聖路加国際病院副院長の細谷亮太先生、同じく 訪問看護科ナースマネージャーの押川真喜子先生にお話をしていただきました。
会場には、訪問看護ステーションに勤務するナースをはじめ、医療介護の分野で活躍しているナースや臨床工学士など60名にお集まりいただきました。 土曜日の朝からみっちり3時間の講演でしたが、皆さん熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
会場風景
在宅医療といった場合、真っ先にイメージするのは 「高齢者」 「介護」 といった事柄ですが、お二方の先生からは、在宅医療のまさに根本的なお話をいただきました。
実は、在宅医療とは、高齢者だけのものではありません。「在宅」 で医療やケアを提供するということにつきるのです。 当然、対象者は高齢者とは限りません。人数的には高齢者と比べてごくわずかにはなりますが小児も対象となるのです。
高齢化率が 20% を超え、世界でも類をみない速度で進展している日本の高齢社会、来年に控えている医療保険・介護保険の改定等を背景に、現在 「在宅医療」 のニーズや社会的な要請は非常に高まっています。 それらのニーズに応え、より良いサービスを提供していくのは医療や介護を提供する側の大切な使命です。
同時に、専門職としての使命の大切なことの一つには、在宅でのケアを望む人 = 個人 にフォーカスして考えていくこと、つまり、その人にあったその人らしい、その人の望むケアの提供をしていくのが本来の医療専門職の使命といえるでしょう。
そのような意味で、今回は 在宅 = 高齢者ではなく、在宅の幅広い役割に気づかされた貴重な時間でした。 在宅を望む対象者に応じたケアの必要性と、在宅を継続していけるだけの専門的な知識と技術の大切さを改めて考えさせられました。
細谷先生のお話から ・・・
小児がんがご専門の細谷先生からは、日頃あまり聞く機会のない小児がんの特徴、治療とともに特に小児に対する病気の説明やチーム医療のあり方についてお話がありました。
終末期医療のポイントは、@的確な出発点、A密なコミュニケーション、Bペインコントロール、C良いバランス感覚による判断、D家族へのサポートにあるとのことでした。
細谷亮太先生
小児に限らず、医療の現場では医師、看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカーなど様々な職種がチームで一人の患者さんにそれぞれの専門性を発揮したケアを行いますが、終末期医療の一つの特徴として、「治らなくなった時のリーダーシップを誰が取るのかについては、必ずしも医師である必要はなく、その時患者さんにとって誰がリーダーシップを取るのがよいかを考える余地がある」 ことを挙げられました。 これは、当たり前のようでいて 「なるほど」 と強く感じた言葉です。
また、小児に対して病気の説明をどのように行うかという点については、非常に難しいことではありますが、@うそをつかない、Aわかるように、Bあとのことを考えて、の原則に基づき、年齢に応じた説明を行っています。
アメリカでは20年ほど前から子どもに対してもきちんとした説明を行うことが義務付けられてきましたが、日本ではその時期まだまだ子どもに対してそんな話をしたらショックを受けてしまう、かわいそうだという考え方か主流でなかなかなじまないものだったといいます。
しかし、現在では 「小児がんの治療中に説明を受けた子どもと受けていない子どもを比較した調査結果では、明らかに治療に対して前向きに取り組む様子やポテンシャルが高い」 という結果が得られているということです。
さて、その説明の際にとても役立つものに 『絵本』 があるといいます。たとえば、「忘れられないおくりもの」、「チャーリーブラウンなぜなんだい」、「レアの星」、「おにいちゃんがいてよかった」等々。
もちろん、絵本を与えるだけではありません。 そこには専門家としてのきちんとした説明があるわけですが、絵本を通しても子どもたちは今の自分の置かれた状況や家族(兄弟)のこと、死について、様々なことを理解していくということです。 講演の中で、一部絵本の朗読もありましたが、私も涙が出てきました。この絵本をどんな時に読んでもらっているのかを想像すると胸が熱くなりました。
小児には抵抗を感じる人が多いかもしれないけれど、みんな子どもだったのだから、こんな時、自分だったらどんなことを思っていただろう、どうしてほしかったのだろう、と思い返せば、きっとわかるのではないか・・・という言葉も印象的でした。
押川先生のお話から ・・・
看護師として訪問看護に従事している押川真喜子さんからは、訪問看護の目的は、患者さんが安楽に在宅療養が継続でき、患者さんの負担が最小限に軽減され、患者さん、ご家族ともにQOLの高い満足の得られる生活となるよう在宅での継続医療・看護を行うことである、とのお話から始まりました。
押川さんの勤務する訪問看護科の現在の体制や業務内容の説明とともに、いろいろな事例についてお話がありました。
押川真喜子先生

脳幹出血でレベルV100〜200となった60代の男性を
自宅で献身的に介護する奥さんとの関わり ―

ずっと入院しかないのだと思い込んでいたところに 【在宅】 の選択肢があることがわかり、在宅を希望されたそうです。 ずっと家の中でご主人だけをみつめるような生活が続いていたのですが、数年が経過し、やっと時には自分の時間を持ったり、お子さん方と出かけたりする時間が持てるようになってきたことを押川先生は喜んでおられました。
ただ、明るく希望の持てることばかりできないことと常に向き合う必要もあり、そこは、専門家としてきちんと見極めたり対応していかなければならないことも付け加えられました。

  78歳の気管切開をしている男性 ―
在宅にあたり、「誰が吸引をするのか」が話題となっていた ・・・ 様々な家族の状況を考えて息子さんのお嫁さんしかいないだろうと誰もが考えていた時、「わしがやる」 と患者さんはおっしゃったそうです。
周囲には無理だろうという雰囲気があったようですが、訪問看護師は吸引指導を行い、その結果、本人がきちんと自分で管理しているとのこと。
この事例では、医療者あるいは周囲の 【思い込み】 で物事を決めてしまってはいけない、もしかしたら、日ごろ思い込みで決めてしまっていることがたくさんあるのではないかと考えさせられた事例としてお話されました。
年齢や性別、様々なバックボーンから医療従事者が勝手に「こうだろう」と想像し、「それがよいだろう」と(医療従事者が)思うケアを提供してしまっていることがあるのかもしれない。 それが必ずしも患者さんのニーズと一致しない可能性があることも改めて指摘していただいた事例でした。
子どもの事例  からは、
先天性疾患のため乳児期より訪問看護を開始した、現在小学校3年生の男の子のお話でした。
子どもは成長に応じたケアも当然必要となってきます。また、成長の過程で優先すべき事柄も違ってきます。 生命の維持に関することは最優先としても、成長にしたがって社会とのつながりを持つことが子どもにはとても大切なことです。
いろいろな局面を経て、小学校に通えるように・・・と家族と一緒に計画してきたケアの成果なのでしょう、今は夜間のみの人工呼吸器でコントロールされるようになり、自分で食事もできるようになり、元気に通学しているようです。
みんなが良かったと成長を喜んでいたのです。そして、何より治療やケアに対していつも彼は明るく頑張ってきたのだといいます。ところが、そんなある日、「僕なんて死んでしまってもいいんだ。生まれてこなきゃよかった。 だって、みんなと違うし、みんなと同じように何にもできないし、みんなとぜんぜん違うんだから。」 と声を上げて叫び泣いたことがあったそうです。
でも、押川先生はこれも彼のひとつの成長として喜ぶべきことだといいます。
みんなと違うということに対して、どうにもならない気持ちを持ったり、またその気持ちを爆発させられることができたのも良かったと考えているそうです。
どうにもならないことにぶつかって、泣いて、わめいて、でも、その経験が病気とともに生きていく彼には必要なものであって・・・。
今回は涙の出る場面がなんだかとても多かった・・・。
ジーンと来るお話が多かったのは、やはり実践家としてのお話だからでしょう。
また是非このような機会を作っていきたいと思います。
ご参加いただきました皆様 ありがとうございます。

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